「間一髪」の英語・英訳表現
「間一髪」は、英語でも by a hair と言います。
日本語と英語、どちらも髪(hair)を「ごくわずかな差」を象徴する単語として使っています。
「間一髪」はその他にも、いくつか言い方があります。
by a hair
「間一髪」という意味です。
タッチの差で間にあったという時などにも使います。
■例文
We escaped by a hair.
(私たちは間一髪で逃げた。)
a hairを直訳すると「髪の毛1本」(一髪)です。
by a hair は、直訳では「髪の毛1本(の差)で」という意味です。
日本の間一髪とほぼ同じ使われ方をしています。
髪の毛1本は、すごく細くほぼ差がないことから、「ほんのごくわずかな差で」という意味で使われます。
ほぼ同じ表現で、by a whisker もあります。
whisker (ウイスカー)は、猫やネズミのヒゲという意味があり、髪の毛と同じように細くごくわずかな幅を意味します。
また、幅という意味のbreadth を加えて、by a hair’s breadth という言い方をすることもあります。
breadth の発音は、ブレドゥスで「ド」は聞こえるか聞こえないかくらいで発音し、「ス」の部分は th なので舌を挟んで発音します。
by a hair を使って、win by a hair 「間一髪で勝つ」という表現や、hang by a hair 「風前のともしび」「危機一髪」という表現もあります。
hang by a hair の、hang は「吊るす」という意味なので、「髪の毛1本で繋がったギリギリ状態」をイメージするとわかりやすいと思います。
日本語の「首の皮一枚で繋がっている」が近い表現です。
narrow escape
この表現も「間一髪」「ギリギリの命拾い」という意味で使われる表現です。
■例文
I had a narrow escape.
(間一髪だった。)
narrow は「狭い」「限られた」、escape は、「逃亡する」「脱出する」という意味です。
直訳は「ギリギリの脱出」で、間一髪、危機一髪の意味的にはとてもストレートでわかりやすい表現です。
イメージ的には、hair を使った表現よりギリギリ感が少ないです。
escape を使った表現では、a hairbreadth escape (間一髪で逃れる)や、escape by the skin of one’s teeth (ギリギリのところで逃れる)という表現もあります。
the skin of one’s teeth は、「歯の表面(の膜)」をギリギリの意味で使っていて、髪の毛よりさらにきわどさが表現されています。
close call
「危機一髪」「間一髪」で危険を回避した時に使われる表現です。
直接的な意味は「ぎりぎりの判定」です。
■例文
That was close call.
(あれは、ギリギリだった。)
Close call! というふうに、この表現だけで使うと「危なかった!」「やばかった」「セーフ」というニュアンスも含まれます。
had a close call は「九死に一生を得る」という意味があります。
また、同じ「危機一髪」という意味で close shave という表現もあります。
shave は、「(毛などを)剃る」という意味です。
理容師が髭を剃るときに、首の近くはとても危険で紙一重であることから、この表現で使われるようになったという説があります。
まとめ
「間一髪」は、単純に by a hair で表現できるということを知らなかった人も多いのではないでしょうか。
narrow escape や、close call もネイティブの会話でたまに出てくるので、この3つをセットで覚えておきましょう。
また、by a hair 以外にも、hair を使ったイディオムがたくさんあるので、あわせて確認しておくとイディオムの幅が広がりますよ。